斎藤けん 「月光スパイス」

月光スパイス (花とゆめCOMICS)

月光スパイス (花とゆめCOMICS)

短編集だからか、絵がコロンコロン変わるなぁ。
短編集だけど1冊通して丸々ファンタジーなので、頭の切り替えなくスコンと入り込めて楽ちん。 
こういうファンタジーど真ん中、みたいな話を読んだのは本当に久しぶりだ〜。中学時代に友達に借りた「銀の勇者」以来な気がする。 「緋色の椅子」は別格で。 
私は小説も漫画もファンタジーは読まず嫌いで、まず横文字の人や都市の名前が覚えられないし、ドラゴンや騎士や魔法が出てくるとシナプスのつながりが悪くなるのか、途端に読むペースが落ちてしまい、あまり手をつけていません。 もっと頭が柔らかいうちにいっぱい読んで慣れておけばよかったと後悔しても後の祭り。損してると思う。 
でも細かい設定を抜きに、お姫様・魔法使い・不思議な森・みたいに、ポンポンッと出される「なんちゃってファンタジー」は読めるし、むしろおもしろいなぁ、と思うことに気付いた。そう、こういう花とゆめ作品みたいな。 細かな世界観が設定されていればいるほど読みにくくなるんだなぁ、と実感した。
「花の名前」の時も思ったけど、やっぱりこの人、ちょっとしたギャグのシーンとか4コマとか柱の話がおもしろい。もっと振り切れたドがつくコメディとかしてくれないかなぁ。
最後の2作は寓話とか童話っぽくて少しお気に入り。